2022年12月に上映予定の『ノー・ライト』は、2012年・2014年に上演された『光のない。』をマルチリンガル版としてアップデートした作品です。今回の上演では、ドイツ語・英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・韓国語・日本語の7ヶ国語での「マルチリンガル上演」となります(日本語字幕付)。地点の俳優・安部聡子も出演している濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』でも、さまざまなバックグラウンドを持つ俳優たちが異なる言語で演じる舞台作品の上演がひとつのクライマックスとなりましたが、今回のマルチリンガル上演はまさに映画で上演されたような、異国語で発せられる俳優の言葉と字幕で楽しむ観劇体験となります。
2023年2月に上演予定の、『騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!』は2021年夏に独ハンブルクで初演され、今回、日本での初上演となります。ホメロス『オデュッセイア』が引用され、人間を豚に変える女神キルケが登場、また、ハイデガーの『存在と時間』が重要なモチーフとなっているイェリネク最新戯曲です。パンデミック下の陰謀論やメディアの狂騒、その行き着く先の不穏さが皮肉とユーモアを交えながら描かれています。『光のない。』『スポーツ劇』に続く、木津潤平(舞台美術)×三輪眞弘(音楽監督)×三浦基(演出)でお届けするイェリネク最新作です。
ちょうど10年の時を隔てて書かれたふたつのテキストを続けて上演することで、この間の世相・政治状況・自然環境の変化、作家・イェリネクの文体の変化、地点の方法論の変化を感じていただきたく思います。わたしたちがフィクションに求めるものとはなにか、いまフィクションでなにを見たいのか、そのような問いを反芻しながら、同じ場所・同じ時間を共有しなければ味わえない演劇ならではのフィクションをたちあげます。
<<地点『ノー・ライト』>>
マルチリンガル上演・日本語字幕付
作:エルフリーデ・イェリネク演出:三浦基
音楽監督:三輪眞弘
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気 河野早紀
石田遼祐 伊藤舞 大井卓也 大畑和樹 川端美菜 中原信貴 藤崎優二 幣真千子 堀川理緒 米津知実 ほか
舞台美術:木津潤平 衣裳:堂本教子 照明デザイン:大石真一郎(KAAT) 照明オペレーター:岩田麻里
音響デザイン:徳久礼子(KAAT) 舞台監督:大鹿展明 技術監督:足立充章 宣伝美術:松本久木
字幕監修:津崎正行 字幕操作:清水翼 制作:田嶋結菜 外山りき
日程:
2022年
12月16日(金)19:00
12月17日(土)18:00
12月18日(日)14:00
会場: KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉
〒231-0023横浜市中区山下町281 TEL. 045-633-6500料金:(全席指定/税込)
一般 前売5,500円/当日6,000円
学生 前売4,000円/当日4,500円
高校生以下 前売3,000円/当日3,500円
2演目セット券(前売のみ)8,000円
公演情報:
http://chiten.org/next/archives/92
<<地点『騒音。見ているのに見えない。見えなくても見ている!』>>
作:エルフリーデ・イェリネク
翻訳:津崎正行演出:三浦基
音楽監督:三輪眞弘
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 小林洋平 田中祐気
舞台美術:木津潤平 衣裳:コレット・ウシャール 照明:藤原康弘 音響:徳久礼子(KAAT)
舞台監督:大鹿展明 宣伝美術:松本久木 制作:田嶋結菜 外山りき
日程:
2023年
2月16日(木)19:00
2月17日(金)19:00
2月18日(土)19:00
2月19日(日)15:00
2月20日(月)休演日
2月21日(火)19:00
2月22日(水)19:00
2月23日(木・祝)15:00
開場は開演の30分前
会場: KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
〒231-0023横浜市中区山下町281 TEL. 045-633-6500料金:(全席指定/税込)
一般 前売4,500円/当日5,000円
学生 前売3,500円/当日4,000円
高校生以下 前売3,000円/当日3,500円
公演情報:
http://chiten.org/next/archives/93
(いずれの公演も)
チケット発売日:
2022年9月17日(土)10:00~
チケット取扱:▽チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00) https://www.kaat.jp
▽窓口 KAAT神奈川芸術劇場2階(10:00~18:00)ほか、チケットぴあ、イープラス、ローソンチケットで取扱あり
主催:合同会社地点
提携:KAAT神奈川芸術劇場
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興
<劇団「地点」について> http://chiten.org/
京都を拠点とし、総合芸術としての演劇活動を国内外で広く展開する劇団。?多様なテキストを独自の手法で再構成・コラージュして上演する。言葉の抑揚やリズムをずらす独特の発語は「地点語」とも言われ、意味から自由になることでかえって言葉そのものを剥き出しにするその手法はしばしば音楽的とも評される。?代表は演出家・三浦基(みうらもとい)。2013年、本拠地京都にアトリエ「アンダースロー」をオープン。2006年に『るつぼ』でカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞を受賞。チェーホフ2本立て作品をモスクワ・メイエルホリドセンターで上演、また、2012年にはロンドン・グローブ座からの招聘で初のシェイクスピア作品『コリオレイナス』を上演するなど、海外公演も行う。?2017年、イプセン作『ヘッダ・ガブラー』で読売演劇大賞作品賞受賞。