ダイキン工業株式会社は、欧州グループ会社のAHT社で展開している冷凍プラグインショーケースを、6月15日より順次、ダイキンブランドとして国内で販売します。低温機器の幅広い品揃えにより、食品を扱うさまざまな店舗への提案力を強化します。
今回、当社が発売する冷凍ショーケースは、スライドガラス扉の装備や、インバータ圧縮機の採用により、一般的なオープン冷凍ショーケースと比べ、年間消費電力量を大幅に低減することができます。自然冷媒R290を使用し、環境にも配慮しました。また冷凍ユニットが内蔵されているプラグイン型で、なおかつ排水を自然蒸発させる構造なので、一般的なリモート型(冷凍ユニット別置型)と異なり、冷媒・ドレン配管工事が不要です。短期間で設置が完了するため店舗の運営を大きく妨げず、自由なレイアウト変更も実現します。
当社は2025年に向けた5か年の戦略経営計画「FUSION 25」の中で、低温機器を用いた店舗ソリューションの強化を重点戦略の一つに掲げています。AHT社(オーストリア 2018年)やザノッティ社(イタリア2016年)の買収を通して事業基盤を築いてきた欧州を起点に、グローバルでの事業展開に取り組んでいます。欧州では、すでに大手スーパーマーケットチェーンで、当社の空調と低温機器がセットで採用されています。今回日本国内においても、冷凍プラグインショーケースが新たにラインアップされることで、生産地から消費地までコールドチェーン全体における付加価値の提供が可能になります。こうしたグローバルでのコールドチェーンビジネスの展開を通し、当社は「食品の安全・安心」「食品ロスの削減」「コールドチェーン全体でのカーボンニュートラル」など、社会課題の解決をめざします。
ダイキン製冷凍プラグインショーケースの特長
1.省エネ
冷気を逃げにくくするスライドガラス扉を装備し、インバータ圧縮機を採用したことで、一般的なオープン冷凍ショーケースと比べ、年間消費電力量の大幅な削減に成功しました。
2.環境への配慮
温暖化係数GWP3※1と極めて低くオゾン層破壊係数がゼロの自然冷媒R290を全機種に採用しました。
3.省施工
食品を陳列する冷凍ショーケースには一般的に、冷凍ユニットとの冷媒配管工事が必要な「リモート型」が用いられています。一方、機内に冷凍ユニットを内蔵した「プラグイン型」の場合、冷媒配管工事が不要です。さらに当社の冷凍プラグインショーケースの場合、排水を自然蒸発させるドレンパンを搭載しているため、ドレン配管も不要となり、店舗内の設置やレイアウト変更の自由度が増すという利点があります。また短期間で設置が完了するため、店舗の営業を長期間休業する必要もありません。
4.省メンテ
当社製の冷凍プラグインショーケースは、冷却した庫内壁面からの輻射や冷気の自然対流で食品を冷却する「無風冷却方式」を採用しています。冷風を庫内で撹拌(かくはん)する一般的な冷却方式とは異なり、蒸発器にファンモータを搭載していないため、従来手間がかかっていたファンモータの点検・メンテナンスの作業工数を削減できます。またドレン管の代わりに排水を自然蒸発させるためのドレンパンを搭載しているため、ドレン配管のつまりによる不具合の心配もありません。さらにスライドガラス扉が装備されていることで、庫内に霜がつきにくい構造になっています。