昨年開催された「FESTA 松本2021」を体感した朝日新聞の山口宏子記者は、FESTAでの驚きと感動をこのように綴っている。
「松本で新たに舞台芸術祭を始めると聞いた時は驚いた。よりによって、この時期に!? でも、串田和美・総合ディレクターの「宣言」を読み、なるほどと思った。〈“お祭り”とは決して社会が安泰で裕福な時だけのものではない。困難な時にこそ、祈りを込め、先の生き方を見つけ出すために行うのが本来の役割ではないか〉。この言葉に誘われて、週末、「特急あずさ」に乗った。
劇場では、トップレベルのコンテンポラリーダンスを子どもたちと一緒に観るという新鮮な体験をし、想像力を刺激する「TCアルプ」の演劇やcobaのコンサートを味わう。街中でも、商店街やカフェ、河原や橋の上で様々なパフォーマンスに出会った。合間に食事やお茶、街歩きも楽しみ、締めくくりは「あがたの森」で風や緑や夜の暗さを感じながら、串田の一人芝居『月夜のファウスト』を。気がつけば、マスクの下で縮こまっていた心と体が伸び伸びし、松本という街への親しみが増している。そんな2日間だった」
(以上、FESTA松本HPより)
そして、串田和美氏(まつもと市民芸術館 総監督)からもコメントが寄せられた。
そして、演劇というものをもっと広い意味で捉え、劇場の中だけで行われるものだけではなく、街中のあらゆる空間、人々のさまざまな時空の中で不意に現れる、喜ばしい事件でありたいという願いを込めました。
今年の《FESTA松本》は昨年以上に多くの市民の方々と一緒になって作り上げる“松本産”の演劇的お祭りになることを目指したいと思っています。
今回の《FESTA松本》では僕のライフワークとも言える『スカパン』をはじめ、長塚圭史さん演出の『夜の女たち』、初参加の劇団た組・加藤拓也さん演出の『ドードーが落下する』、僕の同志であったGrass919の大森博史さん演出『ミッツアロのカラス』、TCアルプ出演の千葉哲也さん演出作品、さらに僕の構成演出オムニバス『バッタの夕食会』、子ども達も一緒に楽しむもの、その他街中のどこかに出現する小さな演劇、ダンス、音楽、サーカスチックなパフォーマンス、展示企画、楽しいシンポジウム、名付けようもないものetc。ただいま計画中です。ぜひ多くの市民の方々の積極的参加をお願いいたします!」
(以上、串田氏コメント)
【概要】
開催名:FESTA松本2022(フェスタまつもと2022)
日 程:10月1日(土)~10月10日(月・祝)
会 場:まつもと市民芸術館、信毎メディアガーデン、上土劇場ほか
主 催:(一財)松本市芸術文化振興財団
企画制作:まつもと市民芸術館 TCアルプ
総合ディレクター:串田和美(まつもと市民芸術館 総監督)
公式ホームページ https://festamatsumoto.com
お問い合わせ:まつもと市民芸術館 TEL.0263-33-3800