没後100年 中村 彝 展 ―アトリエから世界へ

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没後100年 中村 彝 展 ―アトリエから世界へ

開催期間:2024年11月10日~2025年01月13日
会場:茨城県近代美術館
入場料:有料
一般1,360(1,240)円/満70歳以上680(620)円/高校生1,130(980)円/小中生550(420)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※障害者手帳・指定難病特定医療費受給者証等をご持参の方は無料 ※冬休み期間を除く土曜日は高校生以下無料 ※11月13日(水)は茨城県民の日によりすべての方が無料 ※彝の命日の12月24日(火)は満70歳以上の方は無料
営業時間:9時30分~17時00分
最終入場時間 16時30分
定休日:月曜日
ただし、12月29日(日)から1月1日(水)は休館、1月13日(月・祝)は開館
問い合わせ:0292435111
住所:〒310-0851 茨城県水戸市千波町 東久保 666−1
駐車場:あり
開催概要:大正13(1924)年12月24日に37年の生涯を閉じた、水戸市出身の洋画家・中村彝。その没後100年を記念し、同館では前回展「中村彝の全貌」展(同館・愛媛県美術館・愛知県美術館の共催、2003~04年)から約20年ぶりに、大規模な個展を開催します。
若くして肺結核に冒され、絶えず死と隣り合わせにあった彝は、描くことへの欲求に突き動かされるかのように短い生涯を駆け抜けました。その画業は20年にも満たないものでしたが、「自己の行くべき眞の道」を求めて制作に全精力を傾けた彝の作品は現在に至るまで高く評価され、全国各地の美術館等に所蔵されています。
本展では画家の代表作をほぼ網羅し、重要文化財《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵、期間限定展示)をはじめ、前回展では出品がかなわなかった《巌》(1909年、皇居三の丸尚蔵館蔵)や、約半世紀ぶりに公開される作品など、約120点が一堂に会します。また、彝が多大な影響を受けたオーギュスト・ルノワールの《泉による女》(1914年、大原美術館蔵)が、彝の作品とあわせて展示される貴重な機会となります。同館のみの単独開催となる本展を、どうぞお見逃しなく。  

[みどころ]
1. 代表作が勢ぞろい!初心者からマニアまで楽しめます
重要文化財《エロシェンコ氏の像》(12/22~28は写真パネルによる展示)のほか、彝の代表作が勢ぞろいする本展では、巡回がないことからも展示替えは素描など一部の作品のみとなります。同館での展示は35年ぶりとなる《巌》(1909年、皇居三の丸尚蔵館蔵)と《海辺の村(白壁の家)》(1910年、東京国立博物館蔵)。約半世紀ぶりに公開となる《リンゴと瓶のある静物》(1912年頃)や《シスレー「廃屋、フォンテーヌの道」模写》。公の展覧会では初公開となる《静物》(1919年、クヴェレ美術館蔵)。彝の個展で紹介されるのは初となる《静物》(1911年、愛知県美術館蔵)及び《静物》(1919年、豊田市美術館蔵)等、いずれの作品も見逃せません。

2. 彝が半日も絵の前にたたずんだ、ルノワール《泉による女》
彝が活躍した時代の日本には、未だ西洋の美術作品は殆どありませんでした。それゆえ当時の美術家たちは、海外の書籍や雑誌に掲載された図版(多くの場合はモノクロ)などから構図や筆致、色遣いまでをも学ぶほかなく、その窓口は極めて限られたものでした。しかし西洋美術に関心を持つ実業家などが現われ始め、彼等が購入した美術作品がもたらされて、「泰西名画」のブームが、今まさに興ろうとしていました。岡山県倉敷市の実業家・大原孫三郎が購入したルノワール《泉による女》は、その最初期の作品です。当時、伊豆大島に滞在していた彝は、作品が東京の展覧会に出品されることを知ると、急ぎ帰京して会場に駆けつけ、作品を熟覧しました。その衝撃ゆえに、その後に描いた作品が「余りに今までと異っている」のに自身でも驚いたといいます。本展では、ルノワール《泉による女》と、影響を受けた彝の作品(《幼児》1915年など)が会場に並ぶほか、彝をはじめ当時の洋画家達が見ることができた、ルノワールやセザンヌなどの海外の画集や書籍も、あわせてご紹介します。

3. 肺結核に冒された彝が、なぜ絵を描き続けられたのか?――心通わせた支援者たち
人生の多くを病床に伏していた彝が、身命を賭して制作に専念できたのは、友人達の存在が大きかったことでしょう。彝の絵画制作にかける直向きな思いに共感し、その慈愛に満ちた人柄を愛した友人達は、床に伏せる彝の枕元に集い、親しく語らいました。新潟県柏崎市の洲崎(すのさき)義(ぎ)郎(ろう)は、その代表的な人物です。遠方に住む彼に送られた書簡は130通を超え、そこには絵画制作における悩みや、私生活についても詳しく綴られており、互いに深く信頼を寄せていたことが分かります。また、資金援助の謝礼として洲崎のもとには彝の作品が多数集まりましたが、そのコレクションをもとに、彝の存命中では唯一となる個展が、柏崎の地で開催されました。そのほか《エロシェンコ氏の像》(1920年、東京国立近代美術館蔵、重要文化財)について、洲崎と、東京における彝の最大の支援者・今村繁三が共に作品を望んだがゆえに彝が葛藤する出来事などもありました。本展では、作品にまつわる彝と支援者たちとのエピソードもご紹介します。

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℡:0292435111

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